有名で人気な画家や絵画について知りたい!
『ゴッホ』や『ムンク』は誰もが知ってる有名画家。
『モナリザ』や『ヴィーナス誕生』は誰もが知ってる有名絵画。
そこまで初心者じゃないけど詳しくないし、でも興味はある。という人も多いことでしょう。
そこで、マニアックでマイナーなものは省いた ある程度有名な画家や作品 だけを、ちょっと詳しくなれる解説付きでご紹介します。
美女
宗教画や神話画はもちろん、風俗画でも『美女』が描かれた絵画は数多くあります。
※星が表しているのは、画家・作品を合わせた有名レベルです。
グスタフ・クリムト【ユディトⅠ】
クリムトの絵は輝く金色のイメージがありますが、こちらもキラキラ。
恍惚の表情とはだけた胸元が官能的です。
この色気たっぷりな美女、なんと敵ホロフェルネスの寝首をはねて持ち帰るところで、右端にちらっと男の生首が見えますね。
旧約聖書に出てくる『ユディト伝』という物語を描いた絵です。
宗教画や神話画の理解度が高まりますよ。
特にギリシャ神話は内容が面白いので是非!
アルフォンス・ミュシャ【四季-春-】
ポスターで有名なミュシャが初めて創作した装飾パネル画【四季】は3作品あり、これは3作目の【四季】の中の「春」です。
セクシーなのに可愛いさもあってスタイル抜群!まではミュシャのほとんどの絵に共通するのですが、
私は彼女のちょっと睨むような強い目が好きです。
ベルト・モリゾ【化粧室の女性】
後ろ姿なのではっきりいうと美女かはわからないですが、美女感が溢れ出ている作品です。
モリゾは人気の女性印象派画家で、非常に美しい女性ですし(画家マネのモデルも務め、マネの弟と結婚しています)、モリゾの絵によく描かれる娘のジェーンも美人です。
美人が描く女性は美人なのではという安易な考えですが、この絵の女性はきっと振り返っても美しいはずです!
ウィリアム・ウォーターハウス【人魚】
ウォーターハウスの描く女性はもれなくみんな超絶美人。
人物だけでなく背景となるもの全てが丁寧で写実的、誰が見ても美しいと思う万人受けする絵です。
【ヒュラスとニンフたち】というギリシャ神話の物語を描いた作品は「なんて美しい女性たち!美女だらけ!」と感動しました。
美女(個性的)
そもそも【美】とは国や時代によっても異なりますし、人の好みも様々なので一概には言えないものです。
ですが、顔立ちや体型など「今の正統派美人」とは言い難いタイプで、私が好きな個性派美女たちを選びました。
ピーテル・パウル・ルーベンス【三美神】
ギリシャ神話の三美神(タレイア・アグライア・エウフロシュネー)が描かれています。
ルーベンスは『王の画家にして画家の王』と呼ばれ、世界中の権力者から依頼殺到の人気画家でした。
(フランダースの犬で少年ネロが見たかった絵を描いたのがルーベンスです)
みなさんお綺麗ですが、非常にふくよかでたるみやセルライトが目立つメタボ体型が印象的、全体的にこってりとくどい感じの絵です。
アメデオ・モディリアーニ【ジャンヌ・エビュテルヌの肖像】
モディリアーニといえば、長い顔と長い首・白目のイメージが強い画家。
絵のモデルは妻のジャンヌで、黒目が描かれてもっと気の強そうな女性に見える絵もあります。
モディリアーニは35歳で夭折、酒と薬物に溺れた男だったので奥さん大変だっただろうな…。
二人目を身ごもっている時に、モディリアーニを追って自殺しています。
ドミニク・アングル【グランドオダリスク】
美人だし滑らかな肌が魅力的、どこが個性的なの?と思う方もいるでしょう。
よく見るとこの絵の背中はかなり不自然。
胴が長すぎる!脊椎が数個多い!と当時は批判を浴びました。
素晴らしいデッサン力を持つアングルですから、美しい背中を強調するためあえて長くしたのでしょう。
エル・グレコ【受胎告知】
マニエリスムの画家として有名なエル・グレコ。
(※マニエリスとはルネサンス後期の美術様式で、誇張やねじれたポーズ・極端な比率などを用いた絵のこと)
大天使ガブリエルがマリアに処女懐妊したこと告げに来る場面『受胎告知』は、多くの画家が描いている題材です。
驚くマリア様が、劇画タッチというか芝居じみているというか、驚き方が独特で好きです。
モイズ・キスリング【赤いセーターと青いスカーフの女】
独特な大きな目が印象的。
キスリングの描く人物画は大体『無表情・冷たい視線・愛想が悪い』感じですが、目力があって美女ばかりです。
鮮やかな色使いとは対照的に、影があるアンニュイな人物画が多いです。
可愛い子供
フリードリヒ・フォン・アメリング【マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女2歳の肖像】
プクプクのほっぺと腕、お人形を抱きながら寝るポーズ、キレイな巻き髪、気持ち良さそうに眠る表情!
どこを見ても全部可愛い、まさに天使のような寝顔です。
クロード・モネ【ゆりかごの中のジャン・モネ】
モネは風景画が多く(睡蓮や積みわらなど同じ絵を何回もしつこく描くタイプ)なので珍しい赤ちゃんの絵です。
この赤ちゃんはモネとカミーユとの間にできた第一子、二人が正式に結婚したのはこの3年後ですが、愛しい我が子を描く父親の優しさがにじみ出ている作品です。
ピエール・オーギュスト・ルノワール【すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢】
ルノワールの描く絵は、人物も花も果物も風景も全て明るい色調で華やか。
大好きな画家の一人でたくさん好きな絵がありますが、こちらの女の子はお顔はもちろんターコイズブルーのお洋服も可愛いいお気に入りです。
何と言っても、床に付いていない足を組んでる感じが愛らしいですね。
イケメン
ギュスターヴ・クールベ【絶望】
これはクールベの自画像。
【絶望】と言いながらすごくかっこいいし「絶望してないよね」と言いたくなるナルシストぶりが表れています。
初めてこの絵を見た時、あまりにイケメンすぎて他の自画像も探してしまいました!
(クールベはたくさん自画像を書いています)
ミケランジェロ・ブオナローティ【ダビデ像】
鍛えられた肉体と力強い眼差し、普通にカッコイイです。
女性が好きな男性のパーツ上位の『腕の血管』もしっかりとありますし、
瞳の中はハート型になっていて、これは立体感を出すためなどの理由らしいのですが、なんだか可愛らしさもありますね。
ちなみにダビデ像は少し斜視気味(外斜視)です。
アルブレヒト・デューラー【自画像】
この自画像より【1489年の自画像】の方がイケメンですが、こちらの絵は自信に満ち溢れる男のかっこよさがあります。
サインも凝ってるし、右上には「アルブレヒト・デューラーここにあり」って書いてるし、
何より、この正面からの構図や手の形はキリストを描く時に用いられた手法、自分自身を神になぞらえて描く相当な自信家です。
キレイな花
花は美しいものなので大体花の絵はキレイなのですが、有名かつ私のお気に入りをご紹介します。
オディロン・ルドン【花瓶の花】
カラフルで優雅、ルドンが描く花の絵はどれも息を飲むような美しさです。
この色彩豊かな花の絵は、彼の晩年に描かれたもの。
それ以前は黒ばかりで暗く不気味なものも多く、大胆に作風が変化した画家です。
フィンセント・ファン・ゴッホ【アイリス】
ゴッホといったら【ひまわり】が有名ですが私はこの絵の方が好きです。
フランスのサン・ミレ修道院のサン・ポール・ドゥ・モウソーレ病院に入院しているときに描いた作品の1つで、ゴッホが得意な対比配色は使われていません。
色使いもアイリスもキレイなんですが、この生きているかのようなうねった葉は今にも動き出しそうに見え、ただのキレイな花の絵ではない躍動感を感じます。
動物
なぜか日本画ばかりになってしまいましたが、動物ならこの画家!という二人を選びました。
竹内栖鳳【班猫】
私は猫より犬派ですが、この猫ちゃんはただただ可愛いですね。
動物の絵といったら竹内栖鳳!
彼の描く動物はとにかく可愛いくて、犬・アヒル・鹿・ウサギ・鳥 どれも一瞬を切り取ったような豊かな表情と仕草が魅力です。
伊藤若冲【紫陽花双鶏図】
奇想の画家と呼ばれる若冲の絵は、細密描写が見応え抜群!
極彩色が細かく丁寧に描きこまれていて、『若冲の鶏』というほど鶏の絵が得意です。
実家がお金持ちで生涯独身40歳で隠居した若冲は、値段が高い岩絵具もバンバン使っています。
まとめ
私の個人的な好みも影響していますが、人気で有名なアートを19作品ご紹介しました。
知らない絵が多かった人もいるかもしれませんが、どれも間違いなく名画ばかり。
この記事を見た後は、
「この絵見たことあるかも」
「この画家の名前なら聞いたことある」
など、少しでも「知っている」が増えることで今までとアートの見方が変わるでしょう!
趣味が広がり、アートへの関心が高まれば嬉しいです。
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