詳しいことはわかんないけど、絵画に興味はあるんだよね
全国各地の美術館で様々な展示会が開催されています。
興味はあるけど詳しくないし… 美術館に行って楽しめるかな?
そんな初心者でも楽しめるポイントとオススメの名画をご紹介します!
目次
- 1 絵画の楽しみ方は人それぞれ
- 2 初心者にもオススメの名画15選
- 2.1 レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』
- 2.2 ジャン・フランソワ・ミレー『落ち穂拾い』
- 2.3 ラファエロ・サンティ『大公の聖母』
- 2.4 ヨハネス・フェルメール『青いターバンの少女』
- 2.5 フィンセント・ファン・ゴッホ『夜のカフェテラス』
- 2.6 ポール・ゴーギャン『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』
- 2.7 パブロ・ピカソ『鏡の前の少女』
- 2.8 ピエト・モンドリアン『赤、黄、青と黒のコンポジション』
- 2.9 エドヴァルド・ムンク『叫び』
- 2.10 クロード・モネ『パラソルを差す女』
- 2.11 ジョルジュ・スーラ『グランドジャッド島日曜日の午後』
- 2.12 グスタフ・クリムト『接吻』
- 2.13 マリー・ローランサン『キス』
- 2.14 フランシスコ・デ・ゴヤ『裸のマハ』
- 2.15 サンドロ・ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』
- 3 まとめ
絵画の楽しみ方は人それぞれ
どんな絵にどう感じるかは自由
『こんなん子供の殴り書きじゃん!』
『この絵のどこが素晴らしいの!?』
と思う作品を前に絵画や芸術はよくわからないと思う人もいることでしょう。
しかし、ファッションが好きな人はナチュラル系もギャル系もミセス系も全ての服が好きかと言ったらそんなことはまずありませんし、音楽でも映画でも「好きな系統」「好きなジャンル」があるものです。
絵画も同じで「風景画が好き」な人や「個性の強い謎な絵」に興味を持つ人「写実的な絵」にしか興味がない人など様々。
趣味嗜好は人によって違うので、自分にとって「理解不能な絵」や「退屈な絵」があるのは当たり前です。
『世間一般に傑作と言われる名画が好きじゃない=絵画の良さがわからない人』
ではないのです。
絵を見るのはどこ?
絵画を楽しむとは『美術館に行くこと』と思う人がいるかと思いますが、何も美術館に行くことだけが絵画を楽しむ方法ではありません。
本屋さんや図書館に行けばあらゆる絵画の本を見つけることができますし、ネットは見たい絵だけピンポイントで見ることができます。
もちろん美術館で直接見る絵は迫力や感動が違いますし、近くで見る細かな色使いや質感、遠目で見たときの変化など本物でしか味わえない楽しみ方がたくさんあります。
しかしながら、自分の好きな絵画が都合よく展示中とは限りませんしどんなに待っても日本には来ない・絶対見れない作品はあるもの。
その点、本やネットは世界中の名画を好きな時に好きなだけ楽しめるのですから、これは立派は絵画鑑賞と言えるでしょう。
基礎知識はあった方がいい?
いつ(時代)誰が(画家)どんな風に(技法)描いた絵なのか?
印象派、バルビゾン派、ナビ派… ◯◯派って何?
宗教画、神話画、風俗画、肖像画… キリストの事も誰の事もよく知らないけど?
なんだか難しそうな雰囲気に絵画はその知識がある人しかわかないのでは?と思うかもしれませんが、
知識がなくても絵が下手でも全然問題ありません!
(歌詞の意味がわからなくても洋楽が好きとか音痴でもカラオケ好きとかと一緒)
知識があるから楽しめることはありますが、逆に知識がないからこそ楽しめることもあります。
また、興味が湧いて絵を見ていくうちにだんだん知識はついてくるものです。
まずは色々と見てみると良いでしょう!
配色や構図を楽しむ
色の美しさや色の使い方は普段の生活はもちろん多くの分野に活かすことができますし、そこから着想を得たりヒントを見つけることもできるかもしれません。
色を見ると配色を学べるので、つまりセンスアップに繋がります。
また、色を見ることは脳の刺激になるので老化防止にも◎です。
初心者にもオススメの名画15選
「この絵見たことある!」そんな有名絵画を含めたオススメの15作品を色使いと共にご紹介します。
※色味の共通性や話の流れがわかりやすいように時代はバラバラになっています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』
この絵を知らない人はいないでしょう。
誰もが知ってる世界的名画でありながら、パロディのネタにもされやすいのでCMやグッズなど色々なところで目にしますし実に多くの人がモナ・リザになっています。
この絵は暗い色と濁色で描かれているので全体的に地味な印象で華やかさはありませんが、技術の高さと謎の多さが魅力です。
派手さのないダークな色味が怖い・妖艶・上品など捉え方の幅を広げているのかもしれないですね。
ジャン・フランソワ・ミレー『落ち穂拾い』
モナ・リザ同様にこの作品も地味色で華やかさは無し。
でも優しさと暖かさを感じるのはベージュを主としたナチュラルカラーで構成されているからです。
三人の青・赤・黄色が非常に控えめなアクセント的役割をしています。
ラファエロ・サンティ『大公の聖母』
幼いキリストとその母マリアの絵であることは題名からわかると思いますが、実は色を見ただけでこの女性が聖母マリアだとわかります。
昔の宗教画は制限や決まり事が多く、赤い服と青いマントという服装は絶対にマリア様!
白い百合の花や子羊が近くに描かれていている事もあります。
ヨハネス・フェルメール『青いターバンの少女』
こちらの青は黄色との組み合わせが印象的。
黄色と青は色相環で反対、このように対照的な位置にある色同士はお互いが色を引き立て合うのでとても鮮やかに見えます。
※180度離れている色同士は補色と言い、より強くお互いの色を引き立てます。
フェルメールのもう一つの代表作『牛乳を注ぐ女』も青と黄色が効果的に使われています。
フィンセント・ファン・ゴッホ『夜のカフェテラス』
夜空とカフェの賑わった明るさが対照的で美しい色使いです。
ゴッホも青と黄色がお得意でこの2色を使った絵が他にもたくさんあります。
共同生活をしていた画家と口論になり自分の耳を切ったことでも有名です。
(※喧嘩の原因は馴染みの娼婦をめぐってとのこと…)
ポール・ゴーギャン『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』
出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/
題名が長すぎ、絵も非常に細長い。
絵の意味も右から左に向かい人生の経過を表しています。
ゴーギャンの絵の色味はイエローベースが多く平面的でベタ塗り、力強い印象。
ちなみのゴッホと一緒に暮らしていて喧嘩しちゃった画家とはこの人です。
カラーコーディネーターが選ぶ【有名な画家・絵画作品】簡単解説!
パブロ・ピカソ『鏡の前の少女』
わかりやすいビビッドカラーとおかしな顔(体はもっと変)がインパクト大です。
ピカソと言ったらこの感じのイメージが強くありますが、絵の描き方が変わりまくっている人なので様々な画風の作品があります。
恋人ができて幸せな時の絵をバラ色の時代、親友の自殺で落ち込んだ時に青を多用した青の時代、アフリカ部族の仮面からインスピレーションを受けたキュビズム、新古典時代など…
同じ人が描いたとは思えないほどの画風の変化・色使いの変化、ピカソは心の状態が色に出やすいのかもしれないですね。
ピエト・モンドリアン『赤、黄、青と黒のコンポジション』
コンポジション=組み立てる・構成の意。
題名が潔いほどそのまま(白がありませんが)簡単で適当なようにも見えますが、色の配分が絶妙です。
それぞれが主張の強い色で直線のみを使い、変化を出したり、またそれをまとめるのは意外にも難しいこと。
この4色(5色)の単純美はモダンなイメージとの相性が良いので、時計やファブリック・グラスなどインテリア用品の柄に使われることも多いです。
エドヴァルド・ムンク『叫び』
モナ・リザと同じ超有名でパロディが多い絵、ムンクが描いた「叫び」ではなく「ムンクの叫び」と覚えている人も多くいます。
ちなみにこの絵の人は叫んでいないですよ、叫びごえに耳を塞いでいる絵です。
しかもこの人の性別も年齢も予想がつかないのはミイラをモデルにしているから。
背景のウネウネした興奮色とその下の沈静色の色の対比が、絵に動きを出し不気味さを感じます。
クロード・モネ『パラソルを差す女』
「睡蓮」と「積みわら」を描きまくっていたモネにとって比較的珍しい人物画で、この「パラソルを差す女」は似たような名前の似たような絵が3作品あります。
筆触分割と呼ばれる技法で筆のタッチがよくわかり、『光の画家』と呼ばれるその明るい色使いが柔らかく優雅です。
モネは印象派を代表する画家、彼の「印象・日の出」という作品がきっかけで印象派という言葉が生まれました。
ジョルジュ・スーラ『グランドジャッド島日曜日の午後』
まずこの絵はものすごく大きい作品です。
点描といって小さな点々で描かれた絵なのですが、とにかく疲れそう…。
絵の具を混ぜずに点で描く事で色が濁らないので、明るく鮮やかなでありながらソフトな印象です。
グスタフ・クリムト『接吻』
クリムトの作品はキラキラと黄金輝くものが他にもありますが、この『接吻』がもっとも有名です。
よく見るとなかなか官能的な絵ですが光すぎな金色がリアルさを薄め、カラフルで不規則な丸や四角の柄にも目が行くので、いやらしさよりも輝く美しい絵という印象になりますね。
ちなみにこの男性はクリムト本人と言われています。
マリー・ローランサン『キス』
先ほどの「接吻」からキスつながりになりますがこちらは軽めです。
ローランサンの作品は淡くくすんだ色調(グレイッシュ・ダスティカラーとも呼ばれる)でまとめられていて優しく穏やか。
純色+白のパステルカラーではなく、純色+灰色による濁った感じが唇のピンクをより美しく見せています。
フランシスコ・デ・ゴヤ『裸のマハ』
西洋美術で初めて女性の陰毛を描いて問題になった作品、全く同じ構図で同じ女性の「着衣のマハ」も有名です。
寝具(?)の白の光沢感が素晴らしく、この白が光り際立って見えるのは周りの暗さとくすみ感によるもの。
問題作とはいえ、滑らかな肌と艶のある白の対比も美しい絵です。
サンドロ・ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』
出典https://art-whitecanvas.com/botticelli/
教科書やテレビなどこの絵も有名すぎる作品、先ほどの「裸のマハ」に比べると少々隠してるヌードです。
(左の女性(花の女神フローラ)に物凄い胸元見られてる感じですし…)
絵の大部分を占める明るい青緑(ミント系)が爽やかで、そこに舞広がる花の淡いピンクやローズピンクの布が可愛らしい配色になっています。
風になびく髪や布、貝殻や波など曲線が多く色合いも含め女性の好みを刺激する作品です。
まとめ
名画といっても描き方は様々、作品数もたくさんあります。
『この絵どっかで見たことある〜!!』そんな絵が多かったことでしょう。
それぞれの絵に簡単な色の説明とエピソードを書きましたが、絵に込められた意味や想い・画家の人生を知ると絵の見方がもっと変わります。
もし気になる絵が1枚でもあったならネットなり本なりで見てみてくださいね。
まずはざっと名画を知りたい人にはこちらの本がぴったり!
ネットで色々見るよりもこの本を軽く読む方が名画のポイントを満遍なくおさえることができます。
『絵画に詳しい人』と思われる内容がこの1冊に凝縮されているので初めての人は是非!
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ルノワール・モネ・ドガ・セザンヌなど…人気の印象派画家の代表作が数多く載っているので見応えも◎
文章やイラストが堅苦しくないので『印象派って何?』そんな人こそ読んで欲しい一冊です。
美術館でも本でも、自分なりの絵画の楽しみ方を見つけられるといいですね!
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