アートって難しそうだけど、意外と面白くて変な絵ってあるよね
風景画、人物画、静物画…どれもなんだか退屈なイメージ。
そんな人にオススメなのが『面白くて引き込まれる変な絵』
アートの知識がない人でも楽しめる、面白い名画をご紹介します。
目次
面白い絵を描く画家と作品
ジュゼッペ・アルチンボルド『野菜』
この絵は16世紀後半に描かれた大昔の作品。
昔の絵というと、宗教画や神話画・華やかなドレスの女性など美しい絵のイメージを持つ人も多いかもしれません。
しかも、宮廷画家だったアルチンボルトは、なぜ肖像画として野菜人間を描いたのかは謎に思うでしょう。
理由は、当時珍しい食べ物は富の象徴だったので、様々な野菜の組み合わせで顔に見立てた人物を描くことで、描かれた人の権力をアピールするためなんです!
まぶたも頬も鼻も、パーンと張っていてなんともいえない顔立ち。
野菜が高騰している現在も、金銭的豊かさをアピールできている人といえるかもしれませんね。
こちらもアルチンボルドの面白い作品。
絵を逆さまにすると…
またまた、むくみ顔の野菜人間に!
彼の絵は、花・魚・動物など様々なものを組み合わせた面白い人物画がたくさんあります。
子供が見ても楽しめる彼の作品は、間違いなくNo.1おもしろ絵画といえるでしょう。
ルネ・マグリット『人の子』
完全に意味不明な絵ではなく、ちょっとだけ変なところがあるのがマグリットの絵の特徴。
なんでもない景色や人物に非現実的な要素が少しプラスされることで、独特の雰囲気が広がります。
見えそうで見えない男性の顔を隠しているのは、青リンゴ。
彼の絵では、ちょくちょく登場するモチーフです。
見ている人を強く引き付け「他の絵も見てみたい!」と思わせる絵です。
せっかくなので、もう1枚ご紹介。
『恋人たち』
マグリットが14歳の時、彼の母親が入水自殺をするという、悲しい過去があります。
濡れたナイトガウンがまくり上がって顔を覆っている遺体にショックを受け、そこから顔を隠す作品に繋がったとか…。
この絵もなんだかとても惹きつけられますね。
マルク・シャガール『誕生日』
まるで幽霊のようにふわっと宙に浮いた顔色の悪い男性は画家本人。
意外にも、数週間後に結婚を控えた婚約者ベラにキスをしようとしている微笑ましい瞬間です。
幸せの絶好調、有頂天な彼は重力を超越して浮かびながら彼女の口元に近づいちゃっています。
しかし、第一次世界大戦という悲惨な時代やベラの両親から結婚の許しを得るまでの苦悩が、
こんな顔色や謎の構図になったのでしょう。
フェルナンド・ボテロ『人形を持つ少女』
ボテロの描く人物画は、みんなまん丸ふくよかな体型。
この作品も少女とは思えないたくましいふくらはぎが衝撃的です。
しかも可愛いくないし、少女にはとても見えない老け顔、表情も微妙です。
色気も女性らしさもゼロの裸婦画や、顔が大き過ぎるびっくりバランスの人など、彼の絵はどれも見ていて楽しものばかり。
ちなみに、静物画もふっくらしていて、むっちりした果物はなんだか可愛らしいです。
アンリ・ルソー『ジェニエ爺さんの馬車』
その名の通り馬車に乗ったジェニエ爺さんとその家族の絵です。
ルソーの絵は基本的に遠近法などがめちゃくちゃで不自然。
馬車に乗っている人がみんなこちらを見ています。
白いドレスの女性は小人レベルに小さく足元が怪しげです。
馬の後ろ足もどうなっているのでしょうか。
突っ込みどころ満載ですが、ルソーの不思議な魅力にあふれたこの作品は心を惹かれます。
サルバドール・ダリ『記憶の固執』
ダリは『死』に対する恐怖や関心が強く、さらに『性的恐怖と欲望』がプラスされた絵を多く残しています。
A4サイズほどのさほど大きくないこの作品、かなり意味不明でインパクト大!
グニャリと曲がった時計は、溶けたカマンベールチーズから思いついたともいわれ「止まった時計=死」を表しています。
また、群がる蟻や時計の上に止まっている蝿も、腐敗したものにたかる「死の象徴」
中央の白く謎の生物はよく登場するモチーフですが、画家本人といわれています。
ダリは『硬いもの』と『柔らかいもの』に固執していて、他の絵でもこのような硬柔対比を描いています。
これはダリ自身の性的不能によるトラウマともされ、知れば知るほど闇が深い絵だと感じますね。
パウル・クレー『セネキオ』
子供の描くような絵といったら真っ先に思い浮かぶのはピカソではないでしょうか?
しかし、クレーの絵の方がもっと単純な構図で子供っぽい感じがします。
絵の名前である『セネキオ』とは、キク科の植物の総称で、目の形や色味はキクの花を連想させます。
また、セネキオは「老人」を意味するラテン語セネクスという見方もあり、時期に老いていくいく自分自身を野菊に例えて描いたともされています。
平面的で大胆な色使い、何より変な顔ですが、あえて立体的でなく幾何学的な印象に仕上げたこの作品は、クレーの黄金時代の作品です。
カラーコーディネーターが選ぶ【有名な画家・絵画作品】簡単解説!
まとめ
どれも独特で退屈しない作品ばかりだったのではないでしょうか。
古典芸術は絵の題材などにも縛りがありましたが、時代と共に自由度が増し個性的な絵が許されるようになっていきます。
そのため、特に現代アートは誰が見てもなんだか面白いと思う変わった絵が豊富です。
お近くの美術館の情報をチェックしてみると、意外と大昔の絵の展示会は少ないと気づくでしょう。
(大昔の絵画は貴重かつ扱いも大変なので、そうそうお目にかかれるのもではありません)
有名とかレア度ではなく、純粋に絵を楽しめる展示が開催されているかもしれませんよ!
この記事が美術館に足を運ぶきっかけになれば嬉しいです。