色覚多様性(色弱)とは?遺伝や割合について

色はみんな同じに見えてるんじゃないの?

色の見え方・感じ方は多様です。

色覚の差は外見ではわからないので知る機会が少ないですが、自分と違う見え方がたくさんあるのです。

色覚多様性(色弱)とは?

色の見え方(色覚)が一般と異なる人がいます。

「色覚特性」「色弱」などと呼ばれていますが、

かつては「色盲」「色覚異常」「色覚障害」などと呼ばれていました。

差別的な表現であること・勘違い(色盲は色の見え方が白黒?など)が起こりやすいこともあり現在ではこのような呼び方はされていません。

※2005年に日本眼科学会で「色盲」という用語がすべて廃止されました。

2017年9月遺伝子用語の見直しが発表され、「色覚多様性」と表現されることとなりました。

 

「色弱者」という言葉は「色の弱者」という意味で差別的と感じる人もいるでしょう。

ですが、カラーユニバーサルデザイン機構CUDO(後述)では「色の認識に弱い点がある」として「色弱」という言葉を使っています。

ここでも、「色弱」という言葉を使い説明を続けます。

色が見える仕組み

私たちには錐体と呼ばれる視細胞(色を見るための細胞)があります。

錐体は3種類あるのですが

  • L錐体 は長波長(赤)を主に感じる
  • M錐体 は中波長(緑)を主に感じる
  • S錐体 は短波長(青)を主に感じる

この3つの錐体が大きく影響して色を見ているのです。

 

先天的なもの・事故や病気など後天的なものにより3つの錐体のうち

  • どれか1つ・または2つを持っていない(欠落している)
  • 働きの弱い(感度が低い)錐体がある

などがあると色の見え方が異なります。

色弱の人の見え方と割合

上記のように錐体の数や反応の強弱により見え方が分けられています。

※画像はすべて色覚特性を擬似体験できるスマホアプリ【色のシミュレーター】で撮影したものです。見え方はさまざまなので色弱の人が必ずこのように見えているわけではありません。

C型(Common type)一般型

3種類の錐体を持っている一般型で、赤〜紫まで精度良く色を識別することができます。

日本の男性の95%、女性の99.5%以上を占めます。

P型(Protanopia)1型

L錐体がない(P型強度)またはL錐体の感度が低い(P型弱度)があります。

赤を感じる細胞ない、または弱いため赤みの差がわかりずらくなり、赤が暗く(茶色っぽく)感じる特徴があります。

男性に圧倒的に多く日本では1.5%程度存在するとされています。

D型(Deuteranopia)2型

M錐体がない(D型強度)またはM錐体の感度が低い(D型弱度)があります。

緑が見分けにくく赤みの差もわかりにくい特徴があります。

割合は日本人男性の3.5%程度で女性は数百人に1人です。

T型(Tritanopia)3型

S錐体を持たない人で青みの差がわかりにくくなります。

10万人に1人以下の割合で、男女の差や強度・弱度の差はありません。

A型(Achromatopia)1色型

錐体を一つしか持たない人、または錐体がなく杆体(明暗のみを感じる視細胞)しか持たない人です。

色の明暗は感じられるが色合いの違いが判別できないなどの特徴があります。

T型同様に10万人に1人の割合で、こちらも男女の差はありません。

 

※P型とD型を総称して赤緑色弱と呼びます(P型とD型の色の見え方は似ていますね)

 

例をいくつか載せると

 

日本では生まれつき、何らかの色覚特性を持っている人は男性5%、女性0.2%とされます。

つまり、約20人に1人の割合で存在するので1クラスに1人いる計算になります。

『私のクラスには1人もいなかった〜』と思う人もいるかもしれません。

ですが、色覚特性は人それぞれ程度が違いますし、弱度であれば本人が気付いていないこともあります。

また、色弱者はそのことを隠す場合が多いのです。

 

日本で血液型がAB型の人は約1割います。

多数派の血液型の人が「血液型正常」で少数派のAB型は「血液型異常」とはなりませんね。

色の見え方も全く同じ!正常も異常もないのです。

色弱は遺伝する?

女性の色弱の割合は少ないです。

ですが、自分が色弱ではなくても色弱の遺伝子を持っている場合があります。

このような女性を保因者と言い10人に1人とされます。

 

色弱の遺伝子はX染色体にあります。

男性の染色体XY(1本のXに色弱の遺伝子があると色弱になる)

女性の染色体XX(どちらか1本だけに色弱の遺伝子があっても色弱にはならない。だが色弱の遺伝子は持っている、つまり保因者ということ。)

両親ともに一般色覚であっても、母が保因者であれば子供に遺伝する可能性はあります。

昔は小学4年生の時に学校で色覚検査が実施されていました。

ですが、差別やいじめにつながるとして2003年3月文部科学省は色覚検査を必須項目から削除し検査が廃止されました。

その結果、自分が色弱と知らない子が増え、就職の際に寸前で色覚による就業規制に直面するといった事態が多く起こりました。

◆ 色覚に規制がある職種
パイロット・警察官・消防官・動力車操縦者・入国警備官など
(色覚に対して公的な制限がある職種は徐々に減ってきています。)

 

また、先生も「クラスに色弱の子がいるかもしれない」という感覚が鈍り、

板書の色使いに配慮をしなかったり、変わった色使いを『ふざけている』

などの例が報告されたようです。

そのため、13年ぶりの2016年に再度実施が義務付けられることとなりました。

今は色弱への理解も深まり配慮がされてきています。

これからますます良くなるでしょうし、結婚の妨げや子供を諦めることがない環境を願っています。

カラーユニバーサルデザインとは?

まず、ユニバーサルデザインとは… できるだけ多くの人が利用可能であるようにデザインすること。

「バリアフリー」と混同される人もいますが、バリアフリーは「高齢者・障害者の様々な障壁(バリア)を取り除き健常者との生活上の差別をなくしていく」という考え方です。

ユニバーサルデザインは「より多くの人が使いやすい」と言う考え方。

高齢者・障害者以外にも子供や外国人、また初めて使うもの(場所)であってもわかりやすく利用しやすいデザインのことです。

 

では、カラーユニバーサルデザイン(CUD)とは… 色の見え方が一般と異なる人にも情報がきちんと伝わるよう、色使いに配慮したユニバーサルデザインのこと。

色覚特性はもちろん、弱視(視野が狭い・視力が低いなどさまざま)、高齢者の加齢による見え方の違いなどがあっても識別しやすい色使いがされたものです。

◆ カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO)

NPO法人カラーユニバーサルデザイン機構(略称:CUDO)

みんなにわかりやすい色使いを普及することで誰もが安全で暮らしやすい社会を作るために活動されている団体です。

CUDOによって、カラーユニバーサルデザインに配慮して作られていると認定された施設や商品にのみ下のマークが発行・表示されています。

◆ カラーユニバーサルデザインの例

誰もが見やすい色使いや配慮されたデザインはたくさんあるので少しご紹介します。

リモコンのボタン

青赤緑黄の色があるにも関わらず色名が書かれているのは、赤と緑が見分けにくい人に配慮されたデザインです。

洋服の商品タグ

洋服のタグにはサイズ・値段などの他に色名が記載されているものがあります。

可愛らしいピンクを着ていながら、本人は落ち着いた灰色を着ているつもりということも!

間違った購入・着用を防ぐことができます。

教科書

   

地図やグラフの色の差などにわかりずらさがないよう、色と色の境界にはフチを入れる・色の上に色を重ねないなど、教科書の色合いも配慮されています。

 

他にも、路線図、公共施設や病院での階数・ゾーンごとの色分けなどに色だけの区別ではなく、色名を表記しているものが数多くあります。

◆ 色弱の人が困る例

赤が目立つ色に感じない

一般色覚の人にとっては大きく目立つ赤が、目立つ色に感じられないため赤文字の強調表示や危険などの警告を見逃しやすくなります。

また、上記にあるように赤緑色弱は赤と緑が似たように見えるので、木や葉が背景となる場合も標識を見逃しやすいです。

肉の焼け具合がわからない

赤い色が暗く(茶色っぽく)見える人は、肉の焼け具合にわかりずらさを感じていることが多いようです。

友達同士でバーベキューをする時・料理をする時など、生焼けだけでなく周りに気づかれないようにと思う人もいます。

 

多くの人が色覚の多様性について理解し、どのような色覚であってもわかりやすい色使い・配慮が増えてほしいですね♡

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