キャメル?キャラメル?どっちの色名が合ってるんだっけ…?
色を説明する場面はよくありますし、お洋服やコスメ・インテリア用品など、聞きなれない色名の表記を目にすることもあるかと思います。
「わかっているようでよくわからない色名」「知らないうちに間違って覚えて使い続けている色名」があるかもしれません!
この記事では、多くの人が間違えている紛らわしい色名などをご紹介・ご説明します。
目次
間違いやすい色名の特徴と理由
英語やフランス語の意味がわかっていない
色の名前を間違えて使ってしまう1番の理由が、外来色名の意味がわかっていないというもの。
例えば、『ガトーショコラ』とはどのようものかイメージできますか?
色はこげ茶で甘くて美味しい… 『チョコレートケーキ』のことです。
同じものなのになぜ言い方が二通りあるのかというと
- ガトーショコラ(仏語)… ガトー(=ケーキ)+ショコラ(=チョコ)
- チョコレートケーキ(英語)
外国語がそのまま色の名前になっているものは多く、単語の意味を知っていれば間違えない色名も多いのです。
色が似ているのに名前も似ている
後からたくさん出てきますが、「色名そんなに必要ないじゃん!」と思うような、似たような色に様々な名前がついていることがよくあります。
色が似ているだけでなく、色名まで似ていることもあり、そのような色は非常に紛らわしいので、混乱したり間違って使ってしまいやすいのです。
国によってイメージするものが異なる
日本人の子供はお絵かきで太陽を描く時「赤」を使います。
これは日章旗(日の丸)の影響も強く、私たち日本人は太陽を赤と思っています。
しかし世界的に太陽は「黄色」とする国が多いです。
このように、国によって、伝統や宗教によって色の感じ方や色へのイメージは異なります。
外来色名(ざっくりいうとカタカナの色名)と和色名との色差が原因にもなるのです。
「キャメル」と「キャラメル」
キャメル(Camel)=ラクダ
「ラクダ色」といったら使い勝手が良いベージュ です。
「キャラメル」は砂糖を煮詰めたカラメルの色で、プリンのカラメルは割と濃い色ですしキャラメルがコーティングされたお菓子はベージュっぽく色の濃さには少々差があります。
キャメルとキャラメル、【ラ】があるかないかで意味が全然異なるものの、色の差はあまり大きくありません。
「キャメル」はおしゃれで高級感がありますが、「ラクダ色」だとババシャツ・ステテコといった昭和感が出る色名ですね。
どちらの色名を使っても色は大体伝わります。
「オリーブグリーン」と「モスグリーン」
「オリーブグリーン」はオリーブの葉のような緑を指し、オリーブの生の実のよう色を「オリーブ」といいます。
モス(Moss)=苔
「モスグリーン」は苔のような落ち着いた緑色です。
この2色はどちらも「カーキ」と呼ばれることが多い色。
しかし、正しい「カーキ」は以下のような色で、
ペルシャ語やヒンディー語で『塵・土ほこり』といった意味があり、本来の「カーキ」はまったく緑系の色ではありません。
「ボルドー」と「バーガンディ」
メイクやファッションカラーでも「ボルドー」「バーガンディ」はよく耳にする色名です。
ワインが好きな人はもちろん、ワインには詳しくないという人でも『ブルゴーニュ』という言葉は聞いたことがあるでしょう。
『ブルゴーニュ』はフランスの地名で、英語読みにすると『バーガンディ』になります。
- ボルドー(フランス南西部ボルドー産 赤ワイン)
- ブルゴーニュ(フランス東部ブルゴーニュ産 赤ワイン)
「ボルドー」「バーガンディ」どちらもワインの産地の名前なのです。
バーガンディの方が少々暗いのですが、この2色はさほど大きな差がありません。
産地にこだわらず、単に赤ワインの色となると「ワインレッド」という色名もあります。
濃いめ赤〜赤紫は『ワインカラー』と呼ばれます。
「桃色」と「ピーチ」
日本では「桃色」といったら可愛らしい「ピンク」の桃の花の色を指します。
しかし『桃色=ピーチ』は間違い!!
- 桃色=桃の花(和名)
- ピーチ=桃の果肉(外来色名)
「桃色」と「ピーチ」ではまるで色が違いますね。
「ブロンズ」と「ブロンド」
ブロンズ=青銅
「ブロンズ」とは銅にスズを加えた合金のことで、銅メダルの色です。
「ブロンド」は『金髪』のこと。
美しく日焼けした肌を「ブロンズ肌」といいます。
また、天然の「ブロンドヘアー」は世界の全人口で見ても2%程度と非常に少ない髪色です。
この『ブロンズ肌 × ブロンドヘアー』海外のセレブみたいなイメージですね。
「マリンブルー」と「ウルトラマリンブルー」
「マリンブルー」の由来は、ヨーロッパ諸国の水夫・水兵など海軍従事者が制服の色として着用していたことにあります。
マリンとは元々はラテン語から派生したもので英語にも移入され用いられている『海の、海産の』といった意味の言葉です。
「ウルトラマリンブルー」はというと、瑠璃(ラピスラズリ)という青い宝石が海の彼方から渡ってきたことを伝えるために「ウルトラマリン」という色名が生まれました。
『ヨーロッパの外から海を越えてやってきた宝石』というなんだかかっこいい意味を持つ色です。
便利なベーシックカラーの一つ、ネイビーも元々は「海軍」の意味。
イギリス海軍の制服の色が濃紺だったことから、濃紺のことを「ネイビー」と呼ぶようになったとされます。
- マリンブルー=ヨーロッパの水兵さんの制服の色(緑み)
- ネイビーブルー=イギリス海軍の制服の色(紫み)
- ウルトラマリンブルー=海を越えてきた色(紫みの青)
「レンガ色」と「テラコッタ」
れんがには様々な色調のものがありますが、代表的なのが赤れんが。
英語の色名にも「ブリックレッド」というまったく同じ意味の色名があります。
「テラコッタ」はイタリア語で『焼いた土』という意味。
素焼きの陶器などの色を指します。
どちらも、土が原料となっているので色みが似ていますね。
ちなみに『土』の色名は種類が多く、以下も土の色です。
「煉瓦色」より黄みが強くなると「黄土色」というそのままな色名があり、これは皆さん子供の頃から馴染みが深い色でしょう。
「ローシェンナ」は美しい土の採掘場として昔から有名な、イタリアトのトスカナ地方の中心都市『シエナ』から名付けられた色名。
ローは『そのまま』の意味で、焼いた土という意味の「バーントシェンナ」という色名もあります。
「アンバー(琥珀色)」と「アンバー(土色)」
「琥珀」は天然樹脂の化石であり宝石です。
英語では「アンバー」といい、色みは黄金色や茶系と幅があり、ビールの色を表す時などにも使われます。
なんと、色みも似ていて名前も同じ「アンバー」という色名があるんです。
またまた、イタリアのウンブリア地方の『土の色』で、ウンブリアの英語読みが「アンバー」です。
スペルが違う(最初がAかU)だけで音は同じですし、やはり色みも黄色系と近いので間違いやすい色でしょう。
「栗色」と「マロン」
「栗色」はその名の通り栗の表皮の色のこと。(別名「栗皮色」)
栗は英語で「マロン」だと思っている人は非常に多いのですが、「マロン」はフランス語、英語では「チェストナット」です。
チェストナットは少し小粒で家具など木材にも使われるため、スペイン産の大粒の栗が色名として使われています。
- マルーン=英語
- マロン=フランス語
- マローネ=イタリア語
「マルーン」は「ボルドー」と同じ色とされることも多く、意外にも「栗色」とは異なる赤みの色なのです。
「ストロベリー」と「ラズベリー」
ベリーと名が付く甘酸っぱい果物の色を総称して『ベリーカラー』といったりします。
ラズベリー、クランベリー、ブルーベリー… 赤や赤紫〜青紫の色です。
「ストロベリー」と「ラズベリー」はスイーツやジュースでもよく聞く名前ですが、英語・フランス語・日本語の意味が一致していない人が意外と多く、間違って覚えている場合がある色名です。
- 苺=ストロベリー(英語)=フレーズ(フランス語)
- 木苺=ラズベリー(英語)=フランボワーズ(フランス語)
酸味があるほど紫っぽさがある感じですね。
まとめ
紛らわしい色名・似た色名などをご紹介しましたが、それぞれの違いがおわかりいただけたかと思います。
「間違って使っていた!」「思ってた色と全然違った!」
そんな色が多かったのではないでしょうか。
和名も外来色名も色の名前(単語)の意味がわからないと色をイメージできませんが、
サーモン=鮭 だと知っていれば、『サーモン』という色はオレンジ系だとわかりますし、
鶯を知っていれば、『鶯色』という色は緑系だとわかるのです。
今はネットで様々な色を確認することができますから、気になる色・色名はどんどんチェックしてみることをオススメします。
それは色彩感覚を高め、確実にセンスアップに繋がりますので♡
この記事が参考になれば幸いです。